ダブルトーンではできない美しい2色変換の方法
特色2色の際、写真を使うとき1色ではなく2色の写真を使おうとする場合ダブルトーンを利用する方も多いと思います。しかしダブルトーンでは結局2色を混ぜた色味で1色写真にしているだけなので2色であるメリットは全然活かせません。
そこで!特色2色であることを最大限にいかす写真の作り方の手順をご紹介します。
特色の色味を活かした写真の2色変換の手順
- ブラックチャンネルを3色分解する
- 特色に合わせた2色のチャンネルを残して2色写真に
1.ブラックチャンネルを3色分解する
まず下準備としてブラックチャンネルを3色に分解します。これは2色写真にする際もブラック版で表現していたシャドウ部分の濃度感を維持するために行います。これをしないと最終的に完成したときにメリハリの弱い印象の写真になってしまいます。
具体的になにをするかというとチャンネルパネルの新規スポットカラーチャンネルでCMYそれぞれ100%にしたスポットカラーチャンネルを作成します。ここにブラックチャンネルの内容をカットペーストします。その後このスポットカラーチャンネルをチャンネルパネルメニューのスポットカラーチャンネルの統合を選択して統合します。
そうすることでブラックチャンネルの内容がCMY各チャンネルに適用されシャドウ部分の濃度感を維持することが可能になります。
2.特色に合わせた2色のチャンネルを残して2色写真に
写真が実質3色になったところで続いてこの写真を2色データにしていきます。
例えば緑色と赤色の特色なら、緑と赤に印象の近いシアンチャンネルとマゼンタチャンネルを残してイエローチャンネルを真っ白に。こちらで印刷用の2色写真は完成しますが、実際どんな見た目になるかの検証と合わせて校正用のデータの作成も必要です。
そこで、先程のスポットカラーチャンネル作成の要領で緑色と赤色のチャンネルを新規で作成し、シアンチャンネルを緑色のチャンネルに、マゼンタチャンネルを赤色のチャンネルにカットペーストします。
そしてその2つのチャンネルをスポットカラーチャンネルの統合を行うことで実際に印刷されるカラーシミュレーションができます。こちらはそのまま校正用の写真として使い、スポットカラーチャンネルに変換前の写真を印刷用の写真として残しておけば後々効率よく下版ができると思います。
ちなみにスポットカラーチャンネルを統合しないと色味が正しく表示されないのでご注意ください。
紺色と赤色だったらシアンとマゼンタ、オレンジと茶色だったらイエローは確定としてシアンとマゼンタから茶色としてしっかり濃度が確保できるチャンネルを選択等正しいチャンネルを選択するにはそれなりに経験も必要なのでぜひいろいろた試してみてください。
特色の色味を活かした写真の2色変換の時短ポイント
- ダブルートーンを使うより2色であることを活かした写真を生成可能に
いかがでしたでしょうか?
特色に合わせてどのチャンネルを残すかは経験も必要なのでいきなり完璧は難しいかもしれませんが、特色のイメージに近いCMYを選択すれば概ね問題ないので直感で選択するだけでクオリティの高い2色写真を作成可能です。手順を覚えて素早く2色写真を作ることでサクッとデザインクオリティをアップことも可能です。
ぜひ活用してお家に早く帰りましょう!
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